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活版名刺コラム|第6回 肩書きがなくても成立する名刺はある? 

年賀状でご縁をいただいている皆様へ。

いつもありがとうございます。イマモト印刷の中西です。

「紙と印刷」をテーマに、今回は6回目。
ここのところマイブームの「活版名刺」について、
思うことを書かせていただいております。

お時間の隙間でご拝読下さいませ。 

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活版名刺コラム|第6回 肩書きがなくても成立する名刺はある? 

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名刺を拝見していると、 
とても立派な肩書きが並んでいることがあります。

代表取締役、〇〇責任者、〇〇認定資格……。

それを見ながら、ふと思うことがあります。

この肩書きは、

本当に必要なのかしら。

 

私ごとではありますが、長い年月の名刺交換の中で、
強烈なインパクトを残す名刺があります。

この名刺をいただいたのが、何年前のことなのか、何が記載してあったのか、

全く憶えていません。

しかし、名刺交換の際の相手様の顔、周りの状況、昨日のことのように蘇る、

そんな不思議な名刺なんです。

何が記載してあったのか、このモヤモヤを解決すべく、

昔の名刺ファイルを探してみました。


なんと、、、この名刺、残っておりました。

 


淡いベージュの名刺用紙に

広島県知事 藤田 雄山

 


一行、9文字だけが中央に配してある名刺。

アンティークな活字風の楷書体が印象的です。



裏面は、


YUZAN FUJITA
 

GOVERNOR
 

HIROSHIMA PREFECTURE, JAPAN




こちらは、三行、シンプルなサンセルフ体。




いつの年のことだったでしょうか。

県印刷工業組合新年互礼会が某ホテルで行われた際、
歓談時間に
ご挨拶をして、名刺をいただきました。

調べてみると、藤田氏の在任期間が、1993年〜2009年の16年間ですから、
今から17〜33年前の出来事ということになります。

この名刺、連絡先がありません。

考えてみると、県知事に連絡はしませんものね。

 

この名刺に何が書かれていたかも、全く憶えていません。

だけど、名刺交換の際の情景、空気感は記憶に強く残っています。

 

約20年以上も昔の名刺を手にして思うこと。

 

「名刺」というのは、「連絡先」や「肩書き」を伝えるもの、

そう思っていました。

ですが、こうして振り返ってみると、

記憶に残っているのは、「連絡先」でも

ましてや「肩書き」ではありません。

残っているのは、名刺交換の時の「空気感」。



肩書きがなくても、

成立する名刺は、あるのだと思います。

だからこそ、肩書きをどう書くか以上に、

「どんな印象を残すか」が大切なのかもしれません。