指先で感じる、名刺の向こう側
2017 年 6 月 24 日、東京小石川にある「印刷博物館」を訪ねました。
一人で、ふらりと。
そこには幼少期にいつも見ていた、懐かしい景色が広がっていました。
「活版印刷体験」という工房での印刷体験を味わいました。
活字を拾う、組み付ける、インクにのせる、圧で押し込む、
数種類のコースターを作りました。
Happy Birthday 2017.6.25 と印字しました。
この日を境に、「活版印刷」の懐かしい質感、手触り、
私の頭から離れなくなりました。
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活版印刷 (かっぱんいんさつ) とは?
活版印刷は、金属で作られた文字(活字)をひとつひとつ拾い、並べ、
そこにインクをのせて紙に押し付ける、印刷の原点ともいえる技法です。
現代のデジタル印刷が「平らな面に色を載せる」ものだとすれば、
活版印刷は「紙という素材に、物理的に刻み込む」仕事です。
活版名刺と、 普通の名刺の 「決定的な違い」
手にした瞬間に、誰もが指を止める。それが活版名刺です。
「凹み」 という名刺の表情
一番の違いは、紙の表面に残る「印圧による凹み」です。
光の当たり方で陰影が生まれ、その凹凸は、
名刺を受け取った相手の指先に直接伝わります。
「印刷された紙」ではなく「造形された紙」という存在感は、
一度触れれば言葉以上の雄弁さで、持ち主のこだわりを物語ります。
重なるインクの質感
デジタル印刷がインクを吹き付けて平滑に仕上げるのに対し、
活版はインクをじっくりと紙に染み込ませます。
どこか温かく、それでいて凛とした深みのある色合いは、
時間が経っても色褪せない「情緒」を宿します。
渡すとき、 会話が生まれる
普通の名刺は、渡してすぐにポケットへしまわれます。
しかし、活版の名刺は、その質感の珍しさから、
「これ、活版ですか?」と相手から問いかけが生まれます。
名刺がただの連絡先ではなく、
あなたと相手との「対話を始めるきっかけ」になるのです。
効率を追い求める今の時代に、あえて時間をかけて、紙を凹ませる。
この名刺には、効率だけでは計れない、
あなたの「仕事に対する姿勢」そのものが刻まれてゆきます。
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あれから、丸 8 年。
長いような、短いような、あっという間の時間でした。
こうして、活版名刺をお届けする仕事が出来ています。
あのとき、印字したコースター、
当時息子の付き合っていた彼女へのプレゼントでした。
東京の帰りに、息子が住んでいた静岡市に立ち寄り、
彼女との初対面の日が誕生日、とても素敵なプレゼントができました。
そして今、彼女は息子の妻であり、二人の子どもの母でもあります。![]()
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