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活版印刷

活版名刺コラム|第1回 名刺は、あなたの分身です

年賀状でご縁をいただいている皆様へ、 今回から「紙と印刷」をテーマにした短いコラムをお届けします。

私は長年、紙と印刷の仕事に携わってきました。

弊社の始まりは昭和33年。
戦後間もない頃、祖父母が小さな印刷所を始めたことがきっかけでした。

祖父は新聞記者として言葉を扱う仕事をしており、
「伝えたいことがあるから印刷する」 そんな想いで印刷所を開いたと聞いています。

正義や民主主義といった言葉を大切にし、
頑固なまでに信念を貫いた祖父の話は、
また機会があればお話しできればと思います。

私自身も、印刷という仕事を続ける中で、
ただ印刷物を作るだけではなく、
「その人らしさ」や「想い」をどう形にするかを考えることが多くなりました。

そんな中で、普段お客様とお話ししていることを、
少しずつ言葉として残してみたいと思い、
今回このコラムを始めることにしました。

しばらくの間、お付き合いいただけましたら幸いです。

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それでは、第1回「名刺は、あなたの分身です」
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名刺は、ただの連絡先ではありません。

はじめてお会いしたとき、
言葉を交わすよりも先に、相手の手に渡るもの。
それが名刺です。

だからこそ私は、名刺は「その人の分身」だと思っています。

これまで多くの方の名刺づくりに関わらせていただく中で、
「どんなデザインが正解ですか?」 というご質問をよくいただきます。

ですが実は、名刺に正解はありません。

にぎやかな名刺が似合う方もいれば、
文字だけの静かな名刺がしっくりくる方もいらっしゃいます。

大切なのは、「自分らしさが自然に伝わるかどうか」。

名刺交換のあと、相手の手元に残るのは、
紙の質感や文字の印象、そして全体の空気感です。

後日、その名刺を見返したときに、
「あの人、こんな雰囲気だったな」と思い出してもらえる。
それが、良い名刺の役割だと思っています。

活版印刷の名刺は、少し不思議です。
強く主張するわけではないのに、なぜか印象に残る。

それは、インキの色や紙の厚みだけではなく、
触れたときの感覚や、わずかな凹みが、
無意識の記憶に残るからかもしれません。

これから数回にわたり、
活版名刺について、 普段お客様とお話ししていることを、
少しずつお届けしていこうと思います。

名刺を新しく作る予定がなくても、
「自分の名刺って、どんな印象なんだろう?」
そんなふうに、少しだけ考えるきっかけになれば嬉しいです。